作品紹介
フランスの中南部、カンタル地方。ある朝、酪農家であり農場主のダヴィッドは地方裁判所の判事の元へ“出頭”する。このままでは3代続いた農場が経営危機により差し押さえられてしまうのだ。打開策が何もないまま判事に猶予を貰おうと懇願するダヴィッド。何とか2か月の猶予を勝ち取ったものの、途方に暮れて仲間とパブで酒を煽るしかなかった。
その街からの帰り道、道端に明るく輝くネオンサインを見つける。
『キャバレー』だった。虫が明るい所に引き寄せられるように店内に入っていくダヴィッド。そこで見たのは、ボニーという妖艶なダンサーが繰り広げる魅力的なパフォーマンスだった。ダヴィッドは、空いている納屋にキャバレーを作れば農場を売らずに済むと思いつく。
翌朝、ダヴィッドがボニーを訪ねて店に寄ってみるとボニーはボスと喧嘩をしてクビになっていた。行くところがないと察したダヴィッドはすかさず「ちょっと寄ってほしいところがある。ここから35キロ離れた農場なんだけど」とボニーに水を向ける。初めて会った、それも酪農家からの誘いにいぶかしがりながらもつい乗ってしまうボニー。覗いた納屋は想像通りの代物だった。
そこから、ダヴィッドが町中を回ってパフォーマーを探し、そしてボニーが演出担当の鬼となり、みるみるうちにステージのパフォーマンスが出来ていく。いよいよ明日がオープンとなった日、思いもよらない事態が起きてしまう…。